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 FIA-F4 2022 R11/12 AUTOPOLIS 

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復調の岩澤、オートポリスで激戦繰り広げ、6位4位を獲得する
卜部はトンネル脱出まであと一歩。スポット参戦の山本はほろ苦デビューに!!

 

 7大会14戦で競われ、激戦で知られるFIA-F4選手権シリーズに、高木真一監督が指揮を執る、Bionic Jack Racingは第6大会を再び3台で臨み、継続参戦の岩澤優吾、そして新加入の卜部和久に加え、スポットで山本聖渚を走らせる。

 岩澤にとって前大会のスポーツランドSUGOは、まさに山あり谷ありの展開になっていた。好調だった練習から一転し、予選ではマシンバランスの悪化を感じ、13番手、9番手に留まってしまう。レース1こそひとつ順位を上げたが、入賞ならず。が、レース2では5位まで順位を上げて、流れを取り戻していたからだ。これを今大会でも維持することが望まれる。

 
 一方、卜部にとっては本領発揮を許されなかった週末でもあった。終始ハンドリングに苦しんでいたからだが、打開策は自ら見出すしかない。それを今大会でつかんでほしい。
 スポット参戦の山本は地元福岡出身のドライバーで、現在はポルシェジャパンの育成ドライバーとして、ポルシェスプリントカップジャパンやポルシェカレラカップジャパンに出場中。フォーミュラでの実戦経験は、スーパーFJを鈴鹿で2戦戦っただけで、もちろんFIA-F4は初めてとなる。

 

■予選

#97 岩澤 優吾 BJ Racing F110:6番手・4番手
#81 卜部 和久 BJ Racing F110:16番手・16番手
#41 山本 聖渚 BJ Racing F110:15番手・17番手

 

 第6大会はシリーズで唯一本州を離れ、九州は大分県のオートポリスを舞台とする。まわりを緑に囲まれたコースは、阿蘇山中に位置することもあり、地形を利したアップダウンに富んだ、テクニカルレイアウトを好みというドライバーは多い。しかし、タイヤへの攻撃性は極めて高いため、こと予選から決勝2レースを1セットで賄わなければいけないFIA-F4では、しっかりマネージメントできていないと、最後に痛い目に遭いかねない。

 
 今回は予選を1組としたため、専有走行もすべて全車一斉の走行となった。セッション1は木曜日の午後にスタート。1時間×2本での走行となった。しかし、この日は天候が不安定で、セッションを通じてドライタイヤを履いたままの走行が許されなかった。コンディションの回復を待ってピットでステイしていた岩澤は、セッション1を走らなかったほど。
 その一方で、嬉しい誤算は山本が4番手につけていたことだ。地元ドライバーながら、オートポリスでのレース経験はない。が、走行経験の豊富なことが活かされた格好だ。続くセッション2では岩澤も走行したが、タイムでは山本の方が上回った。

 

 金曜日になると、ようやく完全なドライコンディションでの走行が許されたばかりか、さわやかな青空にも恵まれた。すると、岩澤が勢いを取り戻す。セッション3ではトップからコンマ6秒遅れぬ、1分53秒816を記録して5番手につけたのだ。続くセッション4は温度の上昇で、全体的にタイムは伸び悩んだものの、やはり5番手につけて「あと少し」と語らせるまでとしていた。
 また、セッション4では、それまで伸び悩んでいた卜部も方向性をようやく見出し、中盤から好タイムを連発。逆に山本は順位こそ落としていたが、それは他のドライバーがコースに慣れてきたということなのだろう。「普段乗っているポルシェの走り方になってしまって」と語るが、それは修正すべき方向が理解できているからこそのコメント。3人揃っての予選での、さらなる躍進が期待された。

 

 土曜日も好天に恵まれ、引き続き青空の下で予選が行われた。だが、この予選が実に波乱に満ちていた。結論から言えば、2度も赤旗が出され、最後はタイムアウトとなったのだ。そんな状況に、好対応を見せたのが岩澤だった。

 計測2周目には1分54秒063に入れると、次の周には1分53秒565にまで短縮。しかし、その直後に最初の赤旗が出されたから、たまらない。それでも岩澤は再開と同時にフルプッシュ。1分53秒703、1分53秒526と好タイムを連発したが、ここでまた赤旗が……。残り8分の段階だったが、間もなく予選終了が告げられる。その結果、ベストタイムでは6番手ながら、セカンドベストタイムでは4番手につけていた。

 
 卜部も計測2周目から1分54秒435、1分54秒139とタイムを詰め続けていたところで赤旗を出され、再開直後は1分45秒728を記すも、クリアラップを取ろうとペースを落とした直後に再び赤旗を出され、本領発揮を許されぬまま終了となっていた。そのため、2レースとも16番手という結果に甘んじた。

 

 山本は1分54秒642から1分54秒118まで詰めた途端に赤旗で、再開後も1分54秒728から1分54秒505も詰め続けたが、再びの赤旗で勢いを削がれ、15番手と17番手に留まった。
もし、予選が普通に行われていたら……とは思うが、条件は皆一緒。無念は決勝で晴らしてもらうしかない。

 
◇岩澤優吾
「バランスがオーバーステア気味でした。ですけど、今までの外れちゃっていたシリーズ中盤に比べたら、ちょっとずつ戻ってきたかな、という感じです。シリーズ序盤は、このぐらいの順位だったら、バトルして表彰台乗っていたので、ちゃんと決勝で戻せるよう頑張ります」

◇卜部和久
「赤旗のタイミングが、すごく悪かったですね。僕自身の感触は悪くないですが、そんなに良くもないので、もうちょっと煮詰め直して、自分の運転と車を合わせられるように、これからチームと話し合います」


◇山本聖渚
「ベスト〜ベストで来ていた時に、赤旗が出ちゃいました。車のバランスはちょっと微妙で、その中でとりあえず行ってみようと思っていた最中なので、さすがF4だなぁ、と(苦笑)。決まっていれば、最初の方でタイムを出せたかもしれませんが、でも、この順位は痛いですね。レースではとにかく前に行くしかないので、とりあえず頑張ります」


【決勝レポートにつづく・・・】

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